The Catcher in the Rye (ライ麦畑でつかまえて) — 原書で学ぶ英語 — 読書ガイド

Quick Answer: 16歳のホールデン・コールフィールドが寄宿学校を退学になり、クリスマス休暇が始まる前の3日間、ニューヨークをさまよう物語。大人たちの'phony'(うわべ)に吐き気を覚えるアメリカ青年の最初の英語の声。1951年に出版されて70年以上、いまだにすべての青春の頭の中をそのまま映し出す本。

16歳のホールデン・コールフィールドが寄宿学校を退学になり、クリスマス休暇が始まる前の3日間、ニューヨークをさまよう物語。大人たちの'phony'(うわべ)に吐き気を覚えるアメリカ青年の最初の英語の声。1951年に出版されて70年以上、いまだにすべての青春の頭の中をそのまま映し出す本。

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Why read The Catcher in the Rye?

この本の最初の文は英語で"If you really want to hear about it, the first thing you'll probably want to know is where I was born..."およそ50語くらいのひと文がひと息で流れてきて、その瞬間にホールデンという16歳があなたの隣に座って直接話しかけてくる感じがします。英語一人称のもっとも強烈な声。日本語訳ではどうやっても運べない口調。

Why it's approachable

1950年代アメリカ青年の口語体。語彙は易しいけれどスラング('phony'、'lousy'、'crumby')が多い。サリンジャーの文章は短くて直接的、でも意識の流れで進むので、一文の中で4回横道に逸れることもあります。CEFR B1〜B2で十分追えます。最初から語り手が読者に話しかける感じなので、入りが非常になめらか。

アメリカ青年一人称口語体 — 'you'呼びかけ

If you really want to hear about it... — 読者を'you'と呼びながら始める。英語口語一人称のもっとも直接的な入り方。 You should've seen the way they looked at each other. — 'You should have seen' — 英語口語で「見るべきだったのに」を作る定石。 I mean it. I really do. — 'I mean it'+'I really do'の反復 — 英語口語で誠実さを強調するパターン。

スラング — 1950年代アメリカ青年の定番語

He was a real phony. — 'phony'(うわべだけ)— サリンジャーが英語の日常語に刻み込んだ単語。この本以前はそれほど一般的ではなかった。 It was a lousy day. — 'lousy'(ひどい)— 1950年代英語青年スラングの核。 She was a swell girl. — 'swell'(イカした)— 今は少し古風だが、英語青年スラングの歴史を見せる単語。

意識の流れ — 一文の中で4回横道に逸れる

I forgot to tell you about that. They kicked me out. I wasn't supposed to come back after Christmas vacation. — 三つの短い文を続けざまに — 英語一人称が頭の中をそのまま運ぶやり方。 Anyway, it was December and all, and it was cold as a witch's teat, especially on top of that stupid hill. — 'Anyway'+'and all'(つなぎ語)+'cold as a witch's teat'(スラング比喩) — アメリカ口語の定石。 It was a terrific lecture, in a way. I mean it. I really do. — 'in a way'(ある意味では)+反復強調 — 意識の流れ英語のシグネチャー。

反復で作る強調 — 同じ言葉を二度

It really was. It really was. — 同じ文をそのまま繰り返す。英語口語で本気を刻む方法。 She was crazy about him. Crazy. — 一語('Crazy')で締めて強調する一人称英語。 Boy, I hate that. I hate it. — 'Boy,'(感嘆詞)+'I hate that'+'I hate it' — 英語口語の苛立ちの定石。

A native speaker's view

アメリカ11年生(高2)の英語授業の標準テキスト。'phony'、'lousy'、'goddam(n)'はサリンジャー式英語のシグネチャー語彙 — この本の出版以降、アメリカ青年英語がどう変わったかの分岐点です。'Catcher in the rye'自体が英語の比喩として生き残った — 「子供たちが崖から落ちないように受け止める人」。'ホールデン・コールフィールド'は英語圏青年反抗の原型 — 彼がいなかったら'Easy Rider'も'Rebel Without a Cause'もすべての青春映画が違って作られていたはず。

About J.D. Salinger

本名ジェロム・デイヴィッド・サリンジャー(Jerome David Salinger)。1919年ニューヨーク・マンハッタンのユダヤ系家庭に生まれました。第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦(D-Day)の初日に参加した米軍歩兵で、6週間のヘッジロー戦闘を経てダッハウ(Dachau)強制収容所の解放まで目撃 — 生涯PTSDと戦いました。戦時中も鞄の中に『ライ麦畑でつかまえて』の草稿を入れて持ち歩いていたと言われています。1951年の出版直後に爆発的な名声を得ましたが、2年後の1953年からニューハンプシャー州コーニッシュ(Cornish)の人里離れた田舎に隠遁。1965年に最後の短編を出した後は、1冊も出さず沈黙 — インタビューさえ拒否しました。2010年に91歳で亡くなるまで45年間の沈黙。たった1冊の本でもっとも有名で、同時にもっとも姿を消したアメリカ作家。彼が作ったホールデン・コールフィールドは、彼が生きている間ほとんど彼自身の自画像でもありました — 大人の世界を「うわべ」(phony)だと言って背を向けた人物。

Personal note

この本は16歳で読んで25歳で読み直すと、まったく違う本になります。16歳のときは「そうだよ、大人ってみんなうわべだ」と共感で読み、25歳になると「この子はどれだけ寂しくて悲しいんだろう」と切なさで読む。同じ本、同じ英語、それでも別の本。英語の原書で読むと、ホールデンが隣で直接話しかけてくる感じが強いので、その違いがさらに深くなります。

Who should read this

20世紀アメリカ青年英語の原本を読みたい人,英語一人称口語体をもっとも強力に体験したい人,スラング(phony、lousy、swell)が英語の日常にどう刻み込まれたかを見たい人,一冊でアメリカ青年映画/文学の9割が解ける本を探している人

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